こんな話があります。
あるところに、母親と娘が住んでいました。
母親は料理が得意で、娘は母が料理するのをいつも見ていました。
母親は、クリスマスになるとおいしいガチョウの丸焼きを作ってくれるのですが、必ずガチョウの尻尾を切り落としてからオーブンに入れます。
「よそのうちのガチョウの丸焼きは尻尾が付いているのになぜ、うちでは尻尾を切るのかな?」
不思議に思った娘は母親に理由を聞いてみました。
「さあ? 理由は知らないけど、田舎のおばあちゃんが、そうしてたのよ。
たぶん尻尾を切った方がおいしくなるんだと思うけど・・・。」
そこで今度は、田舎のおばあちゃんに同じことを聞いてみました。
おばあちゃんは笑って答えました。
「ああ、それば昔うちにあったオーブンが小さくて、ガチョウの尻尾を切らないと入らなかったからだよ。」
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理由も判らずに当たり前だと思っていることありますよね。
調べて見るとそんな理由!?ってこともあるんじゃないでしょうか。
CD、DVD、Blue Rayなどの光学式ディスクは、どれも直径12センチですね。
DVDやBlue Rayは、CDの大きさに合わせたからですが、CDの大きさはどうやって決まったのでしょう。
実は、はじめに技術者たちが主張した規格は、直径11.5センチ、録音時間は60分。
11.5センチというのは、カセットテープの対角線の長さ、時間はぴったり1時間と、ある意味で技術者らしい美的感覚が現れているといえます。
しかし、ソニーの大賀典雄氏(当時副社長)が異を唱えました。これでは、ベートーヴェンの名曲、交響曲第九番「合唱」は演奏時間60分を越えるため、2枚組みになってしまう。そうなると値段が高くなって売れないと。結局、「第九」をはじめクラシックの大半の曲が収まるように12センチ、74分(現在は80分)という規格に落ち着いたそうですよ。